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ミッドライフクライシス:人生の午後を知る

人の心はそもそも本人の意図に関係なく、心自体が成長をしたいという衝動があるといわれている。しかし段階的に成長するのではなく、人生は大きく午前と午後にわけられて成長を遂げていくという説がある。心自体ものすごく複雑な構造であるので、この限られたページでは説明しきれないが、誤解を恐れずにあえて簡単に説明すると、人生の前半はいかに社会に適応して生きていくかというHOWを取得することにエネルギーを注ぐ期間であるのに対して、後半すなわち人生の午後は、なぜ生きるのか、というWHYを探求する期間といわれている。そのため、後半への移行期間は、人は人生の前半にまったく興味がなかったものに急に興味や関心を覚えそちらのほうが人生において重要だと感じられたりもする。それがミッドライフクライシスと呼ばれる時期に往々にしてあたり、いままで自分が生きてこなかった自分を見つめ、もう一度人生を生きなおすプロセスでもある。ミッドライフクライシスに直面すると、突然無価値だったものが価値あるものと感じられるようになったときに「そんなあたりまえのこと」になぜ気づかなかったのかという衝撃を伴うこともあり、人によっては、自分のいままでの人生が間違っていた、あるいは無駄だったという考えに陥ることさえある。実際は、無駄でも間違っていたわけでもなく、自分があえて選んでこなかった自分を生きなおす、人として統合するきかっけとしてクライシス(分岐点)は訪れただけで、本当は人がこれから最も成長していく機会が与えられたということなのである。

(園田 由紀)

ミッドライフクライシスについての取材記事掲載雑誌の紹介

日経トレンディー:
心の危機 が中年の未来を救う
(2010年2月号 P.94〜97)

アエラ:http://www.aera-net.jp
均等法世代の「折れる心」
(2007年1月15日号 P.64〜67)

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